2025.08.04
眼科の専攻医リョウ(ハンドルネーム)と初期研修医ミツ(同)の対談の最終回をお届けする。
対談が進むにつれリラックスしたのか、「眼科は開業するとおいしい?」「引き抜きについて」「眼科医の結婚のタイミング」など少し砕けたテーマも話題に上がった。将来、海外留学をしたいというミツ医師。リョウ医師は英語力が大切だと日ごろ感じていい、実体験からその理由を伝えた。最後は、眼科に進むなら回った方がいいとされている診療科について、リョウ医師がアドバイスした。
初期研修医ミツ
眼科のおいしいところとして、「開業するとすごい」みたいなうわさを聞きます。実際どうなんでしょうか。
専攻医リョウ
開業している親を持つ同期から話を聞く感じだと、うまくいった場合はすごい世界のようですね。
初期研修医ミツ
リョウ先生は将来、開業も見据えているんですか?
専攻医リョウ
ゼロではないという感じです。積極的に考えているかと聞かれたら、そうではありません。自分で開業するほかには、クリニックからの引き抜きもありますよ。
初期研修医ミツ
引き抜きですか!?
専攻医リョウ
眼科は、この人を引き抜いたらこれだけ手術を増やせるというのが計算しやすいんですよね。裏を返せば、手術がうまいとそれなりに“返ってくるもの”も大きいというのは眼科の良さです。
初期研修医ミツ
引き抜かれるときは、お金を積まれてウチにおいでよみたいになるんですか? プロ野球の世界みたいに。
専攻医リョウ
はははは。実際に、医局にいた人がクリニックに引き抜かれるのを目にした時は、なるほどな~と思いました。
初期研修医ミツ
引き抜きはタブーではないんですか。
専攻医リョウ
案外、うまいこと空気を読みつつやっています。立ち回りのうまい先生は、逆に自分の方から外勤先やバイト先を見つけてきたり、県外までオペをしに月に一回行ったりしています。やっぱり手術がうまいといいですよね。そういう意味で、他の診療科と比べても、やりがいやモチベーションを感じやすいと思いますね。
初期研修医ミツ
結婚はされていますか?
専攻医リョウ
まだしてはないんですが、(結婚を)考えている相手はいます。
初期研修医ミツ
キャリアを考えたとき、いつくらいに結婚するのがベストなんでしょうか。
専攻医リョウ
難しいですよ。本当に難しいですよ。ずっと迷っています。同期は、初期研修の後半にラッシュが来ましたね。2年目の夏くらいから。
初期研修医ミツ
うちの病院でも来ています!
専攻医リョウ
ヤバいですよ、本当に。
初期研修医ミツ
入局してから結婚式をすると、教授を呼ばなきゃいけないとか、ややこしくなっちゃうとか聞きます。
専攻医リョウ
あぁ~、僕の周りでもそれを意識した人は多いですよ(笑)。専攻医になると何だかんだバタバタして結婚式の予定が立てられない……みたいなことがあると思うので。ものすごい勢いでしたよ、冗談抜きで。
初期研修医ミツ
ははは。リョウ先生もそろそろといった感じですか。
専攻医リョウ
……。悩みがだんだんと頭の隅っこから、真ん中の方に来たみたいな感じですね。ミツ先生はプランがあるんですか。
初期研修医ミツ
僕は30歳くらいで結婚して、31、2歳くらいで子どもが欲しいです。それと、人生経験として2、3年海外に住んでみたいというのがありまして。自分が英語で苦労しているので、子どもを連れて行ってバイリンガルにしたいという野望があります。
専攻医リョウ
めっちゃいいですね。
初期研修医ミツ
子どもが言語学習期に入ったくらいの時期に海外に研究をしに行きたいです。
専攻医リョウ
そうすると、眼科の方が救急より行きやすいと思います。
初期研修医ミツ
リョウ先生の周りにも留学や学会で海外に行く人はいますか?
専攻医リョウ
上の先生は海外の学会に行っています。留学も、教授的にはさせたい先生が何人かいるみたいなんですが、子どもがある程度大きくなっていて難しい状況みたいです。保育園とか小学校低学年の時に海外留学について行ったお子さんは英語が堪能なことが多いですね。ミツ先生は英語の勉強をしていますか。
初期研修医ミツ
毎週、英会話をしています。
専攻医リョウ
めちゃくちゃ偉いですねえ。
専攻医リョウ
実は、入局して英語力はめちゃくちゃ大事だと、びっくりしました。
初期研修医ミツ
どういうことですか?
専攻医リョウ
海外の学会への参加を教授に勧められることがあります。外国人の医師たちと会食もあると言われると、「それはちょっと……」と学会への参加自体に尻込みしてしまうので(笑)。
初期研修医ミツ
なるほど(笑)。
専攻医リョウ
だから、準備しておくのが本当に大事だと思います。
初期研修医ミツ
継続して英語力を磨きます。
専攻医リョウ
英語に自信がないとつらいですよ。国内外問わず大きな学会で、教授も自分の組織としてコネを広げたいという思いがあるらしく、独り言のように「○○の学会行きたいんだけどなぁ。誰か来てくれないかな~」みたいなことを言いながらチラ見してくるんです。英語力に自信のない人は急いで物陰に隠れるみたいなことになっています。
初期研修医ミツ
ははは。
専攻医リョウ
そのときに、「行きたいです!」と言えるように勉強しておくのが大事だとつくづく思っています。キャリアのチャンスが数倍どころじゃないくらいに広がるので。大学時代、初期研修中からやっておけば良かったことは、まずは英語ですね。なぜ飲み会ばかりしていたんでしょう。
初期研修医ミツ
初期研修のうちに眼科に進むに当たって、回っておくべき診療科はありますか。
専攻医リョウ
神経内科とか糖尿病内科を回るといいなんて言われると思うんですが、回らなくてもそんなに変わらないような気がします。無理にローテーションに入れる必要はありません。それなら眼科を長く回るとか、他の悩んでいる診療科を回るようにした方がいいと思います。今のところ、糖尿病内科、神経内科を回っておいた方がよかったということはあまり感じません。
初期研修医ミツ
なるほど。
専攻医リョウ
ミツ先生は眼科を選んでも、救急を選んでも、違う方に行っていたらどうなっていたんだろうと結局は思うはず。僕も、整形外科に行っていたらどうなっていたんだろうと思う瞬間がたまにあります。こっちを選んで良かったなと思えるように今頑張って、10年後にちゃんとした医者になって、その選択を正解だったと思えるようにしましょう。またいつか、学会などでお会いしたいですね。
初期研修医ミツ
リョウ先生、ぜひまたお会いましょう!
おわり
tica ishibashi
イラストレーター、ファッションクリエイター。
アパレル商社のデザイナー職を経てフリーランスに。見た瞬間に「ずきゅん」と一目ぼれするような胸に響くクリエーションをモットーに、ファッションに特化したクリエイティブワークを展開する。イラストレーション、ファッションデザイン、アートディレクションと幅広く活動。広告グラフィックやブランドイメージビジュアルなどのさまざまなファッションイラストの制作と、アパレル企画や衣装などのファッションデザインを手がけている。2023年度JIAイラストレーターオブザイヤー最優秀商品イラスト賞受賞。
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