2026.06.26
今年5月末、クリニックに「AI依存症・AI誘発性精神病専門外来」を設立した。軽はずみ、勇み足、出たがり――もっと言うと、新しいもの好きの売名行為と取られかねず、眉をひそめる医師や専門家も多いだろう。
しかし、昨年4月にリワーク(精神的不調で休職・離職中の人の復帰を支える)施設でAIセルフケアの講座を始め、11月に『精神科医が教える AIメンタルケア入門』(翔泳社)を出版した流れを踏まえれば、私としてはごく自然な一歩だった。AI(人工知能)によって症状が悪化してしまった人を集中的に診ていこうという試みだ。
新たな看板を掲げる上で、「AI依存症」や「AI誘発性精神病」は、病名ではないということを強く断っておきたい。どちらも、既存の疾患でおおむね説明がつく。個人が勝手に生み出した新たな病名ではなく、あくまで新しいジャンルとして捉えるのが適切だと思っている。
あらゆる疾患の中でも特に精神疾患は、遺伝子や生い立ち、家庭や職場の環境、経済状況といった要素が複雑に絡み合って生まれる。そこにAIという大き過ぎる要素が加われば、症状の軽重も治療のあり方も大きく変わりうる。ならば、そこを専門的にやってみるのも悪くない。
私自身の短い医師キャリアを振り返っても、診てきた患者のメイン層は、過労による不調から発達障害へ、そしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)やBPD(境界性パーソナリティ障害)へと、少しずつ移り変わってきた。これからも変わり続けるだろう。しかし、しばらくは、AIに関わる問題を抱える患者さんを多く診ていくつもりだ。
益田裕介(ますだ・ゆうすけ)
1984年生まれ。岡山らへん出身。精神保健指定医、精神科専門医・指導医。防衛医科大学校卒業、陸上自衛隊勤務後、民間病院を経て、2018年4月より東京都内の早稲田大学横で個人開業医をしている。19年12月からYouTubeもやっている変な人。酒が好きすぎて、心身を壊しそうだったので20年6月から断酒中。そのことを自慢に思っている。週6~7勤務も疲れてきたので、勤務日を減らしたいけれど、貧乏性なので減らせない。こんなに頑張って働いているお父さんなのに、8歳になる娘からは「変態おじさん」なるあだ名を拝命しました。
月曜のマミンカ
神奈川県川崎市在住のイラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナー。 2022年、絵本「カモンダメダメモンスター」を出版後、こどもと楽しめるワークショップを不定期で開催。 4匹の保護猫とヒーロー好きな息子、自由奔放な娘の子育てに奮闘中。
HP: https://mondaymom.official.ec/
Instagram: https://www.instagram.com/mondaymaminka/