icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

2026.07.22

小児科・新生児科医 今西洋介のシン・言いたい放題! 第5回「思春期の子どもの海外移住は微妙?」

中学生、小学生、園児の三姉妹を連れて米国に渡った今西洋介医師。子どもたちの現地での友達の作り方、英語を学ぶスピードは三者三様だったそう。渡米して2年がたった今、子連れの海外移住について振り返ります。

家族全員――助産師の妻と、現在14歳、13歳、6歳の三姉妹の娘たちと私で渡米して、3年目に入りました。日本を離れた時、娘たちはそれぞれ中学1年生、小学6年生、園児でした。

渡米前、周囲の人たちからよく言われたのが「思春期の子どもが急に海外へ行くと大変ですよ」という言葉です。今回は、子どもたちの渡米が実際にはどうだったのかということについて、書いてみようと思います。

現地の中学校探しで受けた「洗礼」

移住に当たって住居は、娘たちが通う中学校の学区を考慮して選びました。まずは妻と2人で、候補の一つである中学校に話を聞きに行きました。そこで、学校の偉い人(あえてぼかしますが)が我々を見るなり、こう言ったのです。

「この学校では英語を第二言語として学ぶ子どものサポートはほとんどやっていないの」「あなた、日本人? サポートを求めるなら私学にいけば? お金かかるけど」

けんもほろろな対応に、まるで急に冷たい水を頭からかけられたかのような衝撃を受けました。今であれば出るところに出て、徹底抗戦することもできたのですが、渡米直後の自分たちはその「洗礼」に打ちのめされてしまいました。

 

幸い、その後訪れた隣の学校が、英語を第二言語として学ぶ子どもをサポートすると言ってくれました。隣の学区には10人に1人ほどの割合で日本人がいる中学校がありましたが、英語に少しでも慣れさせたいので、日本人がほとんどいないその現地中学校に通うことを決めました。

1年がたって感じた長女の成長

渡米前、長女は仲良しの友達と離れ離れになる(される)ことに不満があったようで、出発前の成田空港で「私の人生はパパのせいで終わった」と面と向かって言われたことが今も鮮明に記憶に残っています。

案の定というべきか、長女はなかなか中学校に馴染めず、わずかな友達と仲良くなるのが精一杯でした。しかし、1年が経過した頃から次第に積極性が芽生えて、学校の遠足の班決めで一人になってしまった時も、米国人のグループに「私も一緒に回っていい?」と声をかけるなど、自分の力で思い出を楽しいものに変えられるようになりました。この頃から我が家にも、だんだんと長女の現地の友達が遊びに来るようになり、大きな進歩を感じました。

   

すぐに溶け込んだ次女、英語の習得が速い三女

一方、1歳年下の自由奔放な性格の次女は、7月の渡米直後の10月、ハロウィンの際に米国人の友人宅に誘われ、お泊まりをしてきました。それから米国人の仲良し5人組のグループに入り、ダンス教室も一緒に通い、泊まり合いっこをしています。英語も生活の中で覚えていき、流暢(りゅうちょう)に話すようになりました。

4歳で渡米した三女はというと、米国に来たことすら認識してない様子で、発音についても、文字を読むのではなく耳から入るので、数カ月で流暢になりました。逆に日本語が怪しくなっていて、急いで週1回の日本語学校に通わせることにしました。

結局のところは個人の性格次第

 

このように三者三様で英語圏での生活に馴染んでいきました。

では、1歳差の長女と次女の違いは何だったかというと、単純に「個人の性格」であったと思います。ゆえに、「思春期での米国生活は苦労する」と言い切るのは無理があり、苦労するかどうかは個人の性格によるところが大きいと感じました。

 

今では、3人とも米国から帰りたくないと言っています。自分のせいで「人生が終わった」とまで言われた私としては、この現状に安堵する日々です。親として大切なのは、子どもを年齢だけで決めつけず、一人一人の個性を考慮してサポートしていく姿勢なのだろうと感じています。

今西洋介プロフィール画像

今西洋介(いまにし・ようすけ)

小児科医、新生児科医。日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医、医学博士(公衆衛生学)、小児医療ジャーナリスト。Xアカウントで公衆衛生学の視点から周産期医療や小児医療に関する社会問題について発信中。漫画『コウノドリ(講談社)』、同名ドラマ(TBS)に登場する「今橋先生」のモデルとして取材協力を務める。「ふらいと先生のニュースレター」でエビデンスに基づく育児情報を配信している。

月曜のマミンカプロフィール画像
イラスト

月曜のマミンカ

神奈川県川崎市在住のイラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナー。 2022年、絵本「カモンダメダメモンスター」を出版後、こどもと楽しめるワークショップを不定期で開催。 4匹の保護猫とヒーロー好きな息子、自由奔放な娘の子育てに奮闘中。

HP: https://mondaymom.official.ec/

Instagram: https://www.instagram.com/mondaymaminka/