学校で教えてくれないデキる研修医のつくり方

17. デキる研修医のコミュニケーション はじめての飲みニケーション

初期研修医にとって主な「飲みニケーション」の機会となる指導医や上級医との食事会について、事前に情報収集をしておきましょう。

食事会のお誘いは上司との院外コミュニケーションの機会

今回は、研修医にとって避けられない上司との院外コミュニケーション、「飲みニケーション」についてお話ししておこうと思います。

「飲みニケーション」と言っても、別にひと昔前のような上司のアルハラ(アルコールハラスメントで)対策の話ではありません。皆さんが各科ローテ中に誘われるであろう種々の食事会に向けて、知っておいてほしい「研修医の心構え」を経験者の一人としてお話しします。

医師として働きはじめると、いろいろな食事会の機会があります。むしろ食事会に勧誘の意味合いもある初期研修中が、卒後数年間の間で一番食事会が多い時期かもしれません。

研修医は、各診療科をローテーションするたびに指導医や上級医といった上司から食事会に誘われるといっても過言ではありません。
その頻度は基本的には大学病院>市中病院であり、研修病院や診療科の方針であえて食事会が無い場合もありますが、研修医になって最初の1年間で食事会に誘われる回数がゼロということはまずありません。

少なくても年数回、多ければ年間10回以上は何かしらの食事会のお誘いを受けることになるはずです。

これで安心!院外飲みニケーションのススメ

  • step1指導医と2人で
  • step2診療グループの食事会
  • step3医局・病棟主催の食事会
 

初期研修ローテション中に研修医が参加する食事会のなかで、事前にある程度情報を知っておくべきなものは、
・指導医に誘われて2人で行く食事
・病棟の診療グループ単位の食事会
・医局や病棟が主催するオフィシャルな食事会(忘年会など)
の大きく3つです。

どの診療科をローテーション中にも、大体1回以上は何かしらの食事会の機会がありますので、社会人としてのマナーも含めて予習しておきましょう。

また、ここで取り上げる3つのシーン以外にも、仲の良い研修医仲間や病棟のメディカルスタッフとの食事会や飲み会に参加する機会も多いと思います。
そういったプライベート色が強い集まりに特に準備はいりませんので、羽目を外しすぎない程度に皆さん自由に楽しんでください。

step1指導医と2人で

直接のオーベン(指導医)と2人で食事に行く機会は、内科をローテション中や外病院の地域医療を研修中などによくあります。
特に指導医と研修医が1対1になる内科ローテ中には、指導医との距離感次第でローテ期間中に何回も誘ってもらえることもあります。逆に指導医と研修医が多対1となりやすい外科系のローテでは、食事会は大体グループ単位になります。

どんなお店で連れて行ってくれるのかは指導医次第ですが、多くは研修病院から近い場所にある居酒屋系のお店になります。
場合によっては、当日に「○○君、今日仕事終わったら飲みに行こうか?」と声をかけられることもあります。
服装はカジュアルな普段着で大丈夫ですので、部活の先輩と飲みに行く感覚でお供しましょう。

食事の支払いは指導医がおごってくれることがほとんどですが、会計時にはそれとなく財布を出しつつ「先生、私はいくらお出しすればいいでしょうか?」と聞くようにしましょう。

指導医は十中八九「いいよ、いいよ」と言って払ってくれますので、「ありがとうございます!ご馳走様です!」と心を込めて御礼を言ってください。
会計時には、金額が見えないような位置に立って、お店の外に出たらもう一度「先生、ご馳走様でした!」としっかり頭を下げましょう。
翌朝会った時にも、「昨日はご馳走様でした」と言えれば完璧です。

point2診療グループの食事会

病棟の診療グループ単位の食事会は、各診療科のローテ期間中(1or2ヶ月)に大体1、2回の頻度で開催されます。
診療グループ単位の食事会は、内科系でも外科系でも開催されますが、日頃からグループで診療にあたっている外科の方が頻度は多いです。

診療グループの食事会の多くは、グループ長の先生が日程を調整して、お店を選びます。
「気軽に居酒屋で」が基本だった指導医と2人の時とは違って、診療グループの食事会は、5〜7人程度の規模で、原則「ちゃんとしたレストラン」が会食の場になります。

大体1〜2週間前にグループ長から直接もしくは他の上級医を介して食事会の日時と場所が伝えられます。
服装は「清潔感のあるカジュアル」を意識するようにしましょう。ルーズな印象のあるトップスとボトムス(たとえばパーカーに穴あきデニムなど)は避けて、足元もできるだけ汚れの少ない靴を選びましょう。 デニムやスニーカーでも小綺麗な物を選べば問題無しです。

食事会のほとんどが平日に開催されます。参加者の先生たちは各々病棟業務が終わってからお店に向かいますので、全員が定刻通りに集まれることは稀です。
若手ほど遅れがちなので、時には開始時にグループ長しかいないという状況もあります。

研修医として忙しいのは仕方ないのですが、その日はキリの良いところで仕事を終わらせて早めに病院を出るようにしましょう。どうしても遅れそうな時は、理由と到着予想時刻を上級医に早めに伝えるようにしましょう。

食事会では、研修医にそれほど多く会話が振られることはないので安心してください。食事をしながらも周りの会話にちゃんと耳を傾け、相槌などのリアクションをしっかりとるように心がけてください。

支払いは色々なパターン(といっても払うのは上級医のみ)がありますが、食事会がお開きに近づいた頃、グループ長が席をすっと立って支払いを済ませてくるのが代表的です。
グループ長がテーブルに戻って来た際、周りの先生が頭を軽く下げて「先生すみません、ご馳走様です」と言ったら、皆さんも「ご馳走様です」と頭を下げましょう。

食事が終わったら、できるだけ最初にお店を出て、店の入り口で出てくる先生たちを出迎えて、「今日はご馳走様でした」と頭を下げて一人一人に食事会の御礼を言いましょう。
翌日も朝の挨拶と一緒に「昨日はご馳走様でした」と御礼をしてください。

point3医局・病棟主催の食事会

医局・病棟主催の食事会は、忘年会や新年会、歓送迎会、祝賀会などのオフィシャルなイベントです。
頻度は数年間に1回程度なので、ローテーションの月によっては、参加しないこともあります(ローテが終わっていても、別途忘年会などに誘われることもあります)。

規模は数十人から多ければ100人以上となり、レストランを貸し切るか、ホテルの宴会場で行うのが定番です(人数が多ければ立食パーティーの確率が高い)。参加者は、診療科の教授をはじめとする医局員、看護師をはじめとする病棟コメディカルスタッフ、製薬会社MRの方々、関連病院の関係者などが中心です。

医局会などのアナウンスを通じてそういった食事会の日程を知り、当日は指導医と一緒にタクシー等で会場に向かうことになるでしょう。
多くの場合、服装はグループの食事会と同じく「清潔感のあるカジュアル」で問題ありませんが、念のため指導医の先生に服装を確認しておくとより安心です(カジュアルがNGではなくても、食事会によってはスーツ着用率が高い場合もあるため)。

会場に着いたら、最初に受付で記名をして、クロークに手荷物を預けましょう(受付で医師○○円、コメディカル○○円と職種によって参加費を徴収する場合もありますが、研修医は原則無料ですので安心してください)。

食事会では、基本的に指導医や仲の良い先生と一緒に過ごして問題ありませんが、何かの拍子に普段あまり接点のない偉い方々(教授や部長、その他病院上層部の方々)と話す可能性もあります。
コミュニケーション力に自信のある人は、和やかに歓談するもよし、何か意見や要望を言ってもよしです。

緊張して特に言うことが思いつかなかった場合は、「○○させて頂いて、大変勉強になりました」と学ばせてもらったことに関して感謝を伝えましょう。

PROFILE

  • 竹田 陽介 Takeda Yosuke

    心臓病、生活習慣病の診療を専門とする内科医師。チーム医療におけるコミュニケーション技術や患者満足度調査において高く評価されている。独自の医療コミュニケーション理論に基づく病状説明は、わかりやすく安心できると幅広い年代から信頼され、家族を連れて来院する患者も多い。

    現在、循環器内科医師としての診療に加え、Vitaly代表としての講演・研修や企業に対する健康経営コンサルティングも行っている。


     株式会社Vitaly

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