マッチング解剖学講座 マッチングとは?  なぜマッチングは生まれたの?基本的なことから実践的なことまで、マイコ先生が解説! これでマッチングの全てがわかる!

マッチング解剖学講座(1) マッチング制度導入の経緯と狙いを知っておこう!

ナビオ
マイコ先生
あらあら、浮かない顔をして、いったいどうしたのかしら?
ナビオ
マイコ先生
ちょっと、顔に似合ってのんきなことを言ってくれるじゃない。3年生や4年生の頃から情報収集を始めている、意識の高い学生さんだっているのよ。それで焦って「マッチング博士」の異名を取る私のところに相談に来たというわけね。
ナビオ
マイコ先生
まあ、いいわ。キミがテニスに心底打ち込んでいたことは知っているし、就職活動のペースは人それぞれかもしれない。分かった。なぜこのシステムが必要なのかという根本的な部分も含めて、このマイコ先生が懇切丁寧に説明してあげましょう!

2004年、医学生の就活が大きく様変わり

ナビオ
マイコ先生
それはそうでしょ。卒後2年間の初期臨床研修が必修化された2004年(平成16年)4月を境に、状況はガラリと変わったのよ。

ナビオ
マイコ先生
当時は、医師免許を取得したらすぐに臨床医として診療することができたの。初期臨床研修は「できたらやったほうがいいね」くらいの扱いだったわけ。でも、2004年4月以降は、医師免許取得後に初期臨床研修を終え、医籍に修了登録をして初めて診療可能とされたの。
ナビオ
マイコ先生
さらに、臨床研修を受けようとする人(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムの組み合せを、研修希望者と研修病院双方の希望を踏まえ、一定のアルゴリズムに従って決定するシステムが導入された。このシステムを「マッチング」と呼ぶの。まさに、これからキミたちが臨む研修病院選びのハイライトだよね。ここから転じて、医学生の就職活動のプロセス全体を指してマッチングと呼ぶこともあるわ。
ナビオ
マイコ先生
某ファンタジー映画の「組分け帽子」じゃないんだから。あくまで、コンピュータを使って、研修希望者とそれを受け入れる研修病院の希望をすり合わせるだけ。まあ、このマッチングシステムの仕組みについては、そのうちに詳しく説明してあげるわ。

臨床研修制度改革の狙いはどこに?

ナビオ
マイコ先生
最も大きな狙いは、自分の専門領域だけでなく初期診療(プライマリケア)を含めた幅広い診療能力を修得させることにあると思うわ。そのため、複数の診療科をローテーションしながら研修していくことになったわけ。初期臨床研修制度の導入前は、単一の診療科のみで研修を行うことが多かったから、「自分の専門以外のことはまったく分からないし、興味もない」という医師が育つ傾向にあるとの指摘もあったし。
ナビオ
マイコ先生
それから、キミの先輩がそうだったように、かつては「卒業したら出身大学の医局へ」という流れが半ば固定化されていたけれど、研修希望者が自由に研修先を選べるようにした。さっき話した「マッチング」は、これを可能にするために用意されたシステムなのよ。

ナビオ
マイコ先生
あら、よく分かってるじゃない(笑)。さらに2009年(平成21年)4月からは制度が見直され、「研修プログラムの弾力化」「研修病院指定基準の強化」「地域別定員枠の導入」という3点について改正が行われたわ。
ナビオ
マイコ先生
わかってないでしょ。「研修プログラムの弾力化」は必修科目が7から3に減ったり、2年目から専門科での研修も可能となったことがそれにあたるわ。「研修病院指定基準の強化」は年間入院患者数3,000人以上の病院が臨床研修病院としてふさわしい、と基準が設けられたということ。
ナビオ
マイコ先生
「最後も」でしょ! これは端的に言えば、研修医の地域偏在を解消しようという狙いね。キミもそうかもしれないけれど、やっぱり地方で学ぶ学生さんも含めて皆が都市部の有力病院に進みたがるし、医局の医師派遣機能が低下したことと相まって、地方の医師不足がどんどん深刻化していった。そこで、都道府県別・病院別の定員枠を厳密に設定することで、医師の供給をコントロールしようというわけ。
ナビオ
マイコ先生
だから、マッチングや臨床研修の仕組みをしっかりと把握し、その裏にある狙いまで読み解いて、きちんと対応することが必要じゃないかしら。
ナビオ
マイコ先生
でも、キミの場合は、マッチング登録に至る前に、いろいろとやらなきゃならないことが多そうね。研修病院選びはどんなスケジュールで進んでいくか分かってる? 病院見学はどうするの? まさか、選考試験で落ちたりしないでしょうね!
ナビオ
マイコ先生
まあ、いいわ。これから私が、キミの就職活動をばっちりサポートしてあげるわ。ぼやぼやしていたら承知しないから!
ナビオ

臨床研修制度の変遷

1 ~平成15年度
(~2004年3月)
2 平成16年度~20年度
(2004年4月~2009年3月)
3 平成21年度~
(2009年4月~)

実地修練制度の廃止、臨床研修制度の創設(昭和43年)

  • ・大学医学部卒業直後に医師国家試験を受験し、医師免許取得後も2年以上の臨床研修を行うように努めるものとするとされた(努力規定)。
  • ・研修医の多くは、出身大学(医局)関連の単一診療科によるストレート方式による研修を受けていた。
  • ・地域医療との接点が少なく、専門の診療科に偏った研修が行われ、「病気を診るが、人は診ない」と評されていた。
  • ・多くの研修医について、処遇が不十分で、アルバイトをせざるを得ず、研修に専念できない状況であった。

初期臨床研修の必修化

  • ・「診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修を受けなければならない」とされた。
  • ・医師としての人格を涵養し、プライマリケアの基本的な診療能力を修得するとともに、アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備することを基本的な考え方として、制度が構築された。
  • ・幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式(スーパーローテイト)による研修が始まった。

開始から5年経過に伴う制度の見直し

1.研修プログラムの弾力化
  • ・必修を7科目から3科目(内科、救急、地域医療)へ
  • ・2年目から専門科での研修も可能
2.基幹型臨床研修病院の指定基準強化
  • ・入院患者数3000人/年
  • ・研修医5人に対して指導医1人以上配置すること
3.研修病院の募集定員の適正化
  • ・研修医の受け入れ実績、医師派遣等の実績を勘案して、都道府県別に定める募集定員の上限と必要な調整を行った数値の範囲内とする(激変緩和措置あり)。

次回「マッチングアルゴリズムを解剖しよう!」2月7日(金)公開予定!

登場人物プロフィール

マイコ先生

医科大学付属病院で内科の臨床医を務める現役医師(3×歳)。“マッチング博士”の異名を取る。たまに母校で教鞭を取る関係で教え子のナビオ君と知り合い、「あまりのデキの悪さに感心して」学業や進路の相談に乗るようになりました。性格はドSだけれど、たまにカワイイところもあるような…。

ナビオ君

もうすぐ医科大学6年生になる、うっかり系男子。某医療ドラマに感動して医師を志す純粋な(単純な?)精神構造の持ち主。特に救急医療への興味があるものの、そこでやっていけるかどうか自信がありません。特技は中学時代から続けている硬式テニスだけれど、恋のスマッシュヒットとは無縁のご様子。

お役立ち

ご利用ガイド


友人紹介キャンペーン