マナーの達人 お礼状編

お礼状のマナー

1お礼状を送る「理由」と「タイミング」

送るのはどんなとき?

お世話になった方へお礼を述べるのは一般的なマナーです。病院見学や臨床研修の後には、指導してくださった先生、担当部署の方に「お礼状」で感謝の言葉を伝えましょう。お世話になった方々へ誠意が伝わって印象が良くなるだけではなく、その病院に勤務する同じ大学出身の先輩医師に対して後輩として礼を尽くすことにもなります。

手書きのメリット

お礼状は電子メールとして送るのでもかまいませんが、それはあくまで略式です。情報伝達手段として優れた電子メールと、正式な手書きによる書状とを、TPOに応じて使い分けるのが賢明でしょう。お礼状を送る習慣を身に付けておくと、社会人になってからも役立つはずです。また、電子メールの印象は、毎日大量に受信される中で埋もれてしまいがち。特に年配の方や、ITツールを日常的に利用しない方には、手書きの書状は心に響いて強く印象に残ります。

送るタイミング

「できる限り早く」が鉄則です。病院見学・研修終了後は、印象が鮮やかな当日か翌日のうちに作成し、すぐにポストへ投函しましょう。事前に封筒や便箋、切手の用意を忘れずに。マナーのポイントを押さえて丁寧に書くことが大切で、文章の滑らかさや文字の美麗さにとらわれすぎる必要はありません

2「便箋・封筒・筆記具の選び方」と「お礼状の形式」

便箋

  • ・白無地の縦罫が基本。横罫や色柄物は、カジュアルになるのでNG。
  • ・書き出しを上にして、宛名が折り目にならないよう三つ折にします。
  • ・「内容が1枚に納まる場合は白紙の便箋を重ねて2枚にする」というマナーは、エコの観点などから最近ではあまり重要視されていないのでどちらでもOK。

封筒

  • ・白無地の和封筒(長型4号)が基本。二重か、厚手の上質紙のものを選びます。茶封筒は事務的文書用なのでNG。
  • ・コンビニなどでも購入できるものの、文具専門店で便箋と共に上質なものを1セットそろえておくと安心です。

筆記具

  • ・ボールペンなら黒インク、万年筆なら黒かブルーブラックのインクのものを使います。

宛先

  • ・通常は部署の責任者や、直接対応してくれた担当者宛とします。別送で病院長宛にも差し上げると、さらに礼儀を尽くせます。
宛先の構成は、以下のようにするのが基本です。
病院名
 ↓
部署名
 ↓
肩書き(職位または役職)
 ↓
個人名(フルネーム)+敬称(「様」または「先生」)
  • ・上記の場合、病院名や部署名に「御中」は付けません。また、「先生」に「様」を付けて「先生様」とするのは二重敬称になるのでNG。

3構成ポイント

【前文】

頭 語
冒頭の挨拶。「拝啓」が一般的。頭語と結語とは決まった対応関係(組み合わせ)があるので注意。
時候の挨拶
季節や天候に応じて選びます。頭語からは一文字空けるか、改行をします。

【主文】

段落ごとに1文字下げ、誤字・脱字、改行の位置、敬語の使い方などに注意します。
お礼の言葉
本文の最初に、まずはお礼を明確に述べます。
本文
感想や決意などを自分の言葉で書きます。実際に経験した内容や、心に残った出来事など、具体的な感想がベスト。

【末文】

結びの挨拶
礼状本来の目的である感謝の言葉で締めます。
結 語
頭語に呼応する締めの挨拶。「拝啓」に対しては「敬具」。

【後付け】

日 付
縦書きの場合は、漢数字で年号から。
署 名
大学名・学部・学科・差出人のフルネーム。
宛 先
病院名・部署名・敬称付きのフルネーム。本文より少し大きめに、最上段から書きます。

【脇付け】

「侍史(じし)」「机下(きか)」など、宛名の左下に書き添えて敬意を表す語。現在ではあまり使われませんが、医療業界では慣例として現存します。お礼状に特別必要ではないものの、紹介状などで目にする機会もあるので、知識として身に付けておきましょう。

お礼状の構成例

病院見学後
臨床研修後
NGなパターン

4お礼状の基本的ルール

頭語と結語

  • ・挨拶の言葉として、前文の文頭に「頭語」、末文の末尾に「結語」をセットで使います。組み合せを変えたり、片方だけ使ったりするのはNG。
  • ・お礼状には、「拝啓―敬具」や「謹啓―謹白」を使うのが一般的。

時候の挨拶

  • ・「頭語」の後に続く「時候の挨拶」は、季節や天候に合わせて選び、心情や季節感を表します。
  1月  新春の候  厳冬の候
  2月  立春の候  余寒の候
  3月  早春の候  春雨の候
  4月  仲春の候  春暖の候
  5月  新緑の候  薫風の候
  6月  初夏の候  梅雨の候
  7月  盛夏の候  盛暑の候
  8月  残暑の候  納涼の候
  9月  初秋の候  秋色の候
10月  秋色の候  秋涼の候
11月  晩秋の候  向寒の候
12月  初冬の候  師走の候

敬 語

  • ・敬語は、お礼状のような正式の手紙には必要不可欠なもの。
    「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を正しく使い分けます。
  • ・相手側には「尊敬語」、自分側には「謙譲語」としっかり区別。
    例:「見る」→尊敬語では「ご覧になる」、謙譲語では「拝見する」
  • ・敬意を表し、文章を上品にさせるのが「丁寧語」。
    例:語尾を敬体(です・ます調)にする
  • ・丁寧に書こうとするあまりに陥りがちなのが「二重敬語」。1つの単語に同じ種類の敬語を重ねてしまうもので、相手に不快感を与えることもあるので注意します。
    例:× →「先生がおっしゃられていました」(※「おっしゃる」と「られる」が二重)
      ○→「先生がおっしゃっていました」
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